加古川市でインフルエンザ発生

姫路市でインフルエンザによる学級閉鎖がでているようです。加古川市でもインフルエンザが確認されています。今年は、昨年よりもかなり早い流行になるかもしれません。現在の流行はA型です。沖縄ではAH3型(A香港型)が流行しています。同じであれば、重症化しやすいタイプです。重症化予防のためにできるだけ早くインフルエンザワクチンを接種しましょう。

今冬のインフル流行、立ち上がりが早い?

沖縄県のインフルエンザ流行が、例年にない早い立ち上がりを見せている。全県では7週連続で増加し、第40週(~10月9日)には定点当たり6.22人と高水準に達し、地域別には、那覇市で定点当たり11.17人と注意報レベルである10人を超えた。これは、新型インフルエンザが流行した2009/10年に次ぐ早い立ち上がりである。沖縄県の9月以降に検出されている株は7件で、その全てがAH3型(A香港型)。昨シーズンも、流行当初に検出されたタイプはAH3型が主流であり、AH3型は他のタイプに比べて重症化しやすいと言われている。このときは、12月〜1月にピークを迎えていることから、早めのワクチン接種勧められる。

第5回RAとIL-6研究会に参加して

10月17日東京で行われました第5会RAとIL-6研究会に参加しました。

最近では関節リウマチの約半分が寛解に導入できる様になってきた。寛解の後はどうするかが今後の課題である。寛解維持ができなくなるのは、DAS28、寛解維持中のMTXの減量が因子としてあげられる。バイオ使用中で、ステロイド中止、MTX中止でも寛解維持には影響がない。むしろ、ステロイド中止群やMTX中止群の方がバイオの継続率が高い。世界的に見ると、約30%はバイオをモノテラピーで使用している。バイオフリーについては、約半数は1年間中止継続できているが、その後については十分な情報がない。投与間隔の延長も選択肢として考えられる。RAの骨折数は減っていない。椎体骨折は、高齢、JHAQ高値、ステロイド服用、大腿骨近位部骨折は、年齢、JHAQ高値、TKAの有無が要因としてあげられる。入院加療となる理由としては、呼吸器感染症、骨折などがあげられる。

アクテムラ皮下注使用成績については、点滴製剤と大きな差はなく、消化管穿孔や心不全については、1年目にやや多く見られたが、増加することはなかった。

csDMARDの使用法として、マイコバクテリウムアブセスの時でも、免疫抑制のないイグラチモドは使用可能であり、透析患者でも使用可能である。MTX使用できない症例でのcsDMARDとしてはイグラチモドがよいのではないか?バイオ効果不十分例にイグラチモドを追加併用することにより寛解導入が可能となることがある。バイオレスキューにはタクロリムスが有効である。トラフ値が高いとDAS寛解率が高い。バイオフリーとバイオレスキューにはタクロリムスが有効である。バイオフリーを導入するにあたっては、csDMARDを3剤併用することにより達成しやすい。ENTからTCZへのスイッチの時に、TCZの効果発揮までのタイムラグがあり、そのときにPSLを短期追加すると有効である。

2016 EULRA recommendationにおいて、MTX-IRでは予後不良因子があれば、bDMARDもしくはJAK阻害薬が推奨されている。ADACT studyでは、MTX-intolerance においてTCZがADAよりも有効性が高いことが示された。日本のSURPRISE studyでは、MTX-IRに対して、TCZをadd-on群とTCZへのswitch群で比較すると、6ヶ月後の寛解はadd-onで70%、awitchで55%。1年ではこの差がなくなりキャッチアップされる。mTSSで見ると、構造的寛解は66%と64%、悪化したCRRPは7%と15%であり、add-onの方が構造的かんかんを達成しやすい。しかし、副作用はadd-on群の方がawitch群よりも多く、MTXを中止する方が安全性は高い。以上から、MTX-IRでは、6ヶ月間はTCZ+MTXで治療し、寛解が導入されればMTXを中止するのがよいと思われる。csDMARDが併用できない患者でのバイオは、IL-6阻害薬とJAC阻害薬がアドバンテージがある。TNF-failureに対する次のバイオは?2ndバイオは、TNF製剤よりも、non-TNF製剤の方が有効性が高い。現時点での第一DMARDは?U-Act-Eary studyでは、80-90%が感慨に導入され、TCZ+MTX、TCZ単独は、MTX単独よりも有効性が高い。TCZ単独は、TCZ+MTXとほぼ同等である。医療経済を考えなければ、全例バイオでスタートするのがベスト。

Next Symposium 2016 in Kobeに参加して

10月6日神戸で開催されました上記講演会に参加しました

高齢化社会とPPI 適切な軟分泌のコントロールを求めて

GERDは年齢とともに増加しており、ピロリ菌感染の減少に伴い、潰瘍が減少しGERDが増加している。GERD治療の目的は、症状のコントロールとQOLの改善である。GERD治療のフローチャートでは治療はPPIが中心であるが、H2RAでは50%しか改善しないのに対してPPIでは90%改善する報告があるためである。GERDはPPIを中止すると6ヶ月で約90%が再発する。なぜ再発するのか?胃酸分泌亢進、下部食道括約筋機能低下、食道クリアランスなどの因子は個人によって特有のものであり、簡単には変わらないため再発する。そのため、生活習慣の改善をすることによって改善が期待できる。GERDのgradeは約70%は変化しない。PPIを服用すると約80%は再発を予防できる。間欠療法では、50%程しかコントロールできない。日本人は軽症GERDが約90%であり、GERDの重症度と症状はあまり相関しない。GERDよりNERDの方が多く、内視鏡所見よりも症状のコントロールが重要である。再発しやすいGERDは、HP陰性、若年者、肥満、腹痛の存在、5年以上持続しているがあり、項目が多いほど再発しやすい。長期の酸分泌抑制が必要となる病態は、GERDと低容量アスピリンもしくはNDAID服用である。NSAIDは、PGE2を阻害することにより、粘膜障害をきたし胃酸分泌亢進をきたすため、HP陽性でNSAID服用すると、HP陰性の健常人より約60倍胃潰瘍になりやすい。ACS治療において、消化管出血をきたすと生命予後が悪くなる。消化性潰瘍による死亡は年々減少しているが、1990年以降は横ばいであり、高齢化によりアスピリン低容量やNSAID服用者が増加していることによる。NSAI服用すると1年間で30%に胃潰瘍が出現し、PPIを服用すると発生が4%に減らせる。低容量アスピリンでは、1年間に20%に胃潰瘍が出現し、PPIにて発生は0%に減らせる。1970年と1990年を比較すると酸分泌能は上昇しているが、その後は横ばいである。GERDは生命を脅かす疾患ではなく、安全性が最も重要である。PPIを長期間服用することによる副作用としては、胃酸を抑制することによる副作用があり注意が必要。