国立感染症研究所によると、3月29日時点で今シーズンのインフルエンザ脳症が176例発症し、そのうち7例が死亡、インフルエンザ脳症は例年になく多く発症している。
第10週に死亡した3例は、1例が10歳代、2例が50歳代。
抗インフルエンザ薬には脳症や脳炎を予防する効果はなく、予防効果が報告されているのはインフルエンザワクチンである。
来シーズンには、脳症の予防のためインフルエンザワクチンを接種しましょう。
国立感染症研究所によると、3月29日時点で今シーズンのインフルエンザ脳症が176例発症し、そのうち7例が死亡、インフルエンザ脳症は例年になく多く発症している。
第10週に死亡した3例は、1例が10歳代、2例が50歳代。
抗インフルエンザ薬には脳症や脳炎を予防する効果はなく、予防効果が報告されているのはインフルエンザワクチンである。
来シーズンには、脳症の予防のためインフルエンザワクチンを接種しましょう。
『高齢者医療における関節リウマチの現状と展望』
高齢発症の関節リウマチは大関節に多いため、肩関節、股関節に関節痛をきたすリウマチ性多発筋痛症は鑑別が難しい。リウマチ性多発筋痛症は、2012ACR/EULARリウマチ性多発筋痛症暫定分類基準の基づいて診断する。
高齢者では、TNF阻害薬、トシリズマブは寛解率が低下するが、アバタセプトは高齢者でも、若年者でも寛解率に差はない。
AMPLE試験において、アバタセプトはACPA陽性高値である方が、寛解率は高くなる。治療によりACPA抗体は低下する。
アバタセプトの肺病変の有無での比較では、有効率に差はなく、継続率にも変化なし。
高齢者では、一般にeGFRが低下しており、CKD合併例が非常に多く、腎機能障害時にはsDMARDではアザルフィジンしか使用できないが、biologicDMARDは腎機能障害における使用制限はない。
以上より、高齢者でACPA陽性、肺病変、腎機能障害を有する活動性の高い関節リウマチではアバタセプトが推奨される。
インフルエンザワクチン、肺炎球菌ワクチンは、TNF阻害薬、トシリズマブ、アバタセプトのどれでもワクチン接種後の抗体価は問題なく上昇するため重症化予防のため積極的推奨される。
オージオメーターを使用した雇入れ時健康診断、一般健康診断、医療関係の施設や学校などに入られる場合に必要な抗体検査、各種ワクチンを実施しています。
雇い入れ時健康診断¥9,000、一般健康診断は内容により¥3,500より設定しています。詳細については、お問い合わせください。
処方は原則1ヶ月以内、湿布は1回70枚まで、在宅自己注射管理料の見直し
長期投薬の取り扱い(医科)と分割調剤(調剤)
「30日超」の長期投薬に当たっては、処方医は「長期投薬が可能な程度に病状が安定し、服薬管理が可能か」を確認し、病状が変化した場合の対応方法と医療機関の連絡先を患者に周知。この要件を満たさない場合には、(1)30日以内に再診を行う、(2)200床以上の病院は、200床未満の病院や診療所に文書による紹介を行う旨を申出、(3)病状が安定しているものの、服薬管理が難しい場合は「分割指示に係る処方せん」を交付――のいずれかを行う。(3)の場合、処方医は処方せんの「備考欄」に、「分割日数および分割回数」を記載する。薬局は、分割調剤における2回目以降の調剤時は、患者の服薬状況等を確認し、処方医に情報提供する。
湿布薬の投薬の制限
・1処方当たり「70枚まで」規制新設
対象は外来患者で、院内、院内処方ともに制限される。「70枚超」を処方する場合には、調剤料・処方料・処方せん料・調剤技術基本料のいずれも算定できない。薬剤料も、超過分については算定不可。ただし、医師が疾患の特性等により、やむを得ず70枚超を投薬する場合には、その理由をレセプトに記載すれば算定は可能。また「70枚以内」であっても、湿布薬を処方する場合には、処方せんとレセプトに、(1)投薬全量、(2)1日分の用量または投薬日数――のいずれも記載する。
在宅自己注射指導管理料見し 在宅自己注射指導管理料の指導内容を明確化した上で、頻度に応じた点数を設定するとともに、難病患者への指導管理を行った場合を重点的に評価する。
【在宅自己注射指導管理料】
1 複雑な場合 1,230点
2 1以外の場合
イ 月27回以下 650点
ロ 月28回以上 750点
注 「2」については、難病外来指導管理料との併算定を可能とする。
注2 導入初期加算 580点
B型肝炎ウイルスは、DNAウイルスで核内に入って合成されるが、HIV等と同じレトロウイルスに分類される。
以前はe抗原のセロコンバージョンが治療目標であったが、s抗原のセロコンバージョンが現在の治療目標である。一般に使用しているHBs抗原では陰性となっても、高感度測定方法であるルミパルスHBs-HQではかなりの頻度で陽性になる。
HBVジェノタイプはA〜Jまであるが、日本ではCとDが多い。最近では、Aが増えてきており、急性肝炎から慢性化する可能性があり問題となっている。
治療は日本では、ジェノタイプCが多くインターフェロンが効きにくいため、経口の核酸アナログ製剤であり、ラミブジン、アデフォビル、第二世代のエンテカビル、テノホビルがある。テノホビルは、腎機能障害があり注意が必要であるが、胎児には影響が少ないため、妊娠希望や妊娠中に使用可能。核酸アナログを使用するとHBVDNAは陰性化するが、中止すると再び上昇する。治療中のフォローは、HBVコア関連抗原とHBs抗原で確認すると、現在の状態が確認できる。基本的には、核酸アナログは継続し続ける薬剤であるが、HBs抗原、HBVコア関連抗原がともに低下していると、中止してもかなりの場合再燃しない。
肝癌の発がんについては、C型肝炎と違って肝硬変になっていない、慢性肝炎、無症候性伽里からでも発症するため、B型肝炎のキャリアである場合にはしっかりとしたフォローが必要。
兵庫県では、肝癌予防のためB型肝炎、C型肝炎の治療費の助成を行っています。C型肝炎に対してインターフェロンフリー治療ができるようになり、副作用が少なく、95%以上のウイルス消失が期待できるようになりました。しかし薬剤は非常に高額であり、総額数百万するような薬剤による治療が、原則月1万円(もしくは2万円)で治療することができます。そのためには、肝炎治療医療費助成申請を申請にかかる診断書とともに健康福祉事務所もしくは保健所していただく必要があます。当院では、必要な診断書を記載することができ、すでにインターフェロンフリー治療を受けられた方もおられます。B型肝炎、C型肝炎でまだ治療をされたことがない方は、治療を受けられることをお勧めします。
3月12日(土)に東京で行われました『リウマチ医のための肺障害研究会』に出席しました。
関節リウマチ治療のアンカードラッグであるMTXはBMIにより容量の調整が必要であり、BMI 18.5以下の方では、通常の用量を使用すると治療に有効な血中濃度の2倍以上にまで上昇し、肝機能障害の発生頻度がかなり高くなります。MTXの濃度を測定し、治療に有効な血中濃度を超える範囲の量に調整することにより、有効性を維持しながら副作用を減らすことができます。ただし、現在日本では測定することができません。
MTX関連リンパ腫の発生は、治療中のリンパ球の数が減少すると発生するリスクが高まる。リンパ球の中でもEBウイルス特異的CD8T細胞の減少が関連している可能性がある。リンパ腫が発生してから、MTXを中止した後のリンパ球数の推移を見ることにより、MTXの中止だけで改善するか、化学療法が必要なリンパ腫に移行するかの判断ができる。すなわち、MTXを中止後リンパ球数が治療前の数まで上昇すれば自然治癒し、リンパ球数が低いままであれば治療が必要なリンパ腫に進行する。
生物学的製剤のヒュミラ使用時の最適なMTXの投与量はどれぐらいか?併用するMTXを2.5mg 、5mg、10mgと増量すると、寛解率も上昇するが、10mgと20mgの間では差がなかった。MTXを併用するとヒュミラの血中濃度は投与量に応じて上昇するが、10mgと20mgの間では差がみられなかった。抗製剤抗体の出現率が、2.5mg、5mg、10mgと投与量が多くなると低下するが、10mgと20mgの間では差がなく、抗製剤抗体の出現率が有効性に関与しており、欧米の大柄な患者さんでも10mgで十分である。
新幹線が60分ほど遅れたため最後の講演しか聴くことができませんでした。