特定健診・後期高齢者検診

特定健診・後期高齢者検診はすでに始まっています。

お手元に受診票が送付されているかと思います。

当院は6月開院のため遅くなりましたが、8月1日より播磨町、加古川市、稲美町在住の行政国保(国民健康保険)の方の特定健診・後期高齢者検診を受け付けることができるようになります。

申し訳ありませんが、社会保険や行政国保以外の方は受付できません。

本年から、検診の条件が厳しくなり、後期高齢者検診の方は、糖尿病、高血圧、脳血管疾患などの生活習慣病で通院加療中の方は実施できません。受診表にも記載されていますので後期高齢者検診の対象となるかどうか確認の上受診してください。来院していただいても、受付できないことがございますのでご了解いただきますようお願いいたします。

受診票の質問にご記入の上、受診票と保険証の2つを必ず持参して受診してください。

申し訳ありませんが、どちらか1つでも忘れられた場合は受付できませんのでご了承いただきますようお願いします。

胃癌リスク検査(ABC分類)が始まります

播磨町、加古川市、稲美町では、あたらしく胃癌リスク検査(ABC分類)が始まります。

胃がんリスク検査(ABC分類)は、「ピロリ菌感染の有無を調べる検査」と「萎縮性胃炎の有無を調べる検査」を組み合わせて、胃がんになりやすいか否か(危険度)を判定するものです。

この検査で精密検査必要と判断された方は、胃カメラによる検査が必要になります。

当院は、胃癌リスク検査精密医療機関に登録されています。

胃癌リスク検査にて要精密検査と判定された方は受付にて申し出てください。

当院では、苦痛の少ない鼻からの上部内視鏡、レーザー光による最新のBLIを搭載した経鼻内視鏡にて検査を実施させていただきます。

ピロリ菌について

ABC健診とはなんですか?

ヘリコバクターピロリ抗体(Hp抗体)検査でピロリ菌の有無を、ペプシノゲン(PG)検査で胃粘膜萎縮度を調べ、その結果の組み合わせで胃癌のリスクをA、B、C、(D)の4群に分類して胃癌のなりやすさを評価する検診です。

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【ヘリコバクターピロリ(H.ピロリ)抗体】

胃がH.ピロリ菌に感染していないかを調べる検査です。

H.ピロリ菌は胃粘膜にダメージを与え、様々な病気の引き金になると考えられています。胃癌の原因になるとも言われています。

【ペプシノゲン検査】

ペプシノゲンは胃粘膜から分泌される酵素の一つで、ペプシノゲンの量により胃粘膜の萎縮の状態を調べる検査です。萎縮が進んだ胃は胃癌になりやすいと言われています。

 

ピロリ菌の除菌を受けられた方、胃切除術を受けられた方、胃酸分泌抑製薬(プロトンポンプ阻害薬)を服用中もしくは2ヶ月以内に服用していた方、腎不全の方は正しい結果が出ない可能性がありますのでこの検査を受けることはお勧めできません。

直接胃カメラを受けてください。

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B群 最低3年に1回の胃カメラをお勧めします

C群 最低2年に1回の胃カメラをお勧めします

D群 毎年胃カメラを受けてください

 

ピロリ菌が陽性といわれましたが、どうしたらいいですか?

ピロリ菌の持続感染により萎縮性胃炎をきたします。萎縮性胃炎をきたすと、萎縮粘膜から胃癌が発生しやすくなると言われています。萎縮性胃炎が起こる前にピロリ菌の除菌をするのが最もいいのですが、すでに起こっている方でもこれ以上の萎縮性胃炎の進行を防ぐために除菌をお勧めしています。

 

ピロリ菌を除菌したら、あとはなにもしなくていいですか?

すでに萎縮性胃炎を認めている方では、ピロリ菌をやっつけてしまっても萎縮性胃炎が完全になくなるわけではなく、将来胃癌の発生墓地となる萎縮性胃炎が残っていますので、できれば胃癌の早期発見のため胃カメラを年1回受けられることをお勧めします。

 

ピロリ菌がいると胃癌になるのですか?

ピロリ菌がいることだけではすぐに胃癌になるわけではありません。WHOにより、ピロリ菌は発がん物質の一つとしてあげられていますが、実際にはピロリ菌そのものだけで発がんをおこる可能性は非常に少ないようです。ピロリ菌の持続感染による慢性炎症によりおこる萎縮性胃炎が胃癌の発生源となります。

ただ、ピロリ菌に感染したことがない方でも胃癌になることがありますので、ピロリ菌がいないから大丈夫というわけではありません。

 

ピロリ菌を除菌すると胃癌にならなくなるのですか?

ピロリ菌がいることだけではすぐに胃癌になるわけではありません。WHOにより、ピロリ菌は発がん物質の一つとしてあげられていますが、実際にはピロリ菌そのものだけで発がんをおこる可能性は非常に少ないようです。ピロリ菌の持続感染による慢性炎症によりおこる萎縮性胃炎が胃癌の発生源となります。したがって、除菌をしてピロリ菌がいなくなったとしても、胃癌の発生母地である萎縮性胃炎は残っていますので、萎縮性胃炎のない方よりも胃癌の発生する可能性は高いです。

関節リウマチとは?

関節リウマチは、全身の関節に炎症が起こり、関節変形をきたし日常生活に支障をきたす病気です。関節の中の滑膜と呼ばれる部分に炎症がおこり、ここからサイトカインなどの成分が産生され関節表面の軟骨や関節の骨が破壊され関節に変形が起こります。

関節の破壊は、発症早期に、特に2年以内に最も進行すると言われており、早期に診断し早期に治療を開始することが大切です。

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関節リウマチの治療にはどんなものがありますか?

    関節リウマチと診断されると関節破壊が起こらないできるだけ早期にリウマチ治療薬を開始することが大切です。予後不良因子の有無、年齢や合併症などにもとづいて治療薬を決定します。

治療前には、肺病変の有無、腎機能障害の有無、B型肝炎やC型肝炎の有無などを検査し、大きな異常がなければまずアンカードラッグと呼ばれるメトトレキサートにて治療を開始します。寛解を治療の目標として寛解が得られるまでメトトレキサートを増量していきます。メトトレキサートを増量しても寛解が得られなければ、生物学的製剤と呼ばれる強力な薬剤を検討します。

生物学的製剤は、関節リウマチの関節内で炎症を引き起こすTNFαやIL-6などの炎症性サイトカインをブロックすることにより、強力に炎症を抑え関節破壊を食い止めることができる薬剤です。生物学的製剤には、点滴剤、皮下注射剤、経口剤があり、週1回、2週に1回、月1回の皮下注射や、月1回から2ヶ月に1回の点滴など、作用機序、投与方法、投与間隔などにより選択することができます。ただ、高額であるための全ての方が適応となるわけではなく、合併症や既往症によっては使用できないことがあり、そのような場合には、免疫抑制剤を使用することもあります。

関節リウマチのアンカードラッグと呼ばれているメトトレキサートは、関節リウマチ治療の基本と言われています。ガイドラインでは、関節リウマチと診断された場合には、禁忌でなければまずメトトレキサートによる治療を行うことが勧められています。これは、メトトレキサートが多くの方に有効性が高く、関節破壊を防ぐ効果が期待できる薬剤であり、長く継続することができる薬剤として認められているからです。

ただし、メトトレキサートが使えない方もおられます。

  • 重大な感染症を有する患者さん
  • 白血球減少や血小板減少などの血液異常のある患者さん
  • 肝障害を有する患者さん
  • 高度な腎障害を有する患者さん
  • 高度な呼吸器障害を有する患者さん(間質性肺炎など)

上記のような方はメトトレキサートを使用することができません。その場合は、サラゾスルファピリジン(アザルフィジンEN®など)、レフルノミド(アラバ®)、その他の抗リウマチ薬で治療を開始し、6ヶ月以内に寛解もしくは低疾患活動性を目指します。

目標が達成できれば、治療を継続し、達成できなければ、次には生物学的製剤の使用を考慮します。

現在日本で使用できる生物学的製剤は、点滴注射製剤7剤、経口薬1剤があります。

点滴注射薬には、

インフリキシマブ(レミケード®)

日本で最初に使用可能となった生物学的製剤であり、TNFα阻害薬でありメトトレキサートとの併用が必須です。即効性があり、関節破壊抑制効果も高く、効果不十分であれば増量することが可能です。異種蛋白を含むためアレルギー反応を強く起こすことがあり、抗体が作られるため効果減弱をきたすことがあります。8週毎の点滴製剤ですが、導入時は2週、6週後と3回実施後、8週間隔となります。

エターネルセプト(エンブレル®)

レミケードと同じ頃に使用可能となったTNFα阻害薬で、皮下注射製剤である。半減期が短く、週に1回もしくは2回皮下注車が必要であり、副作用が問題となる高齢者の方によく使用されています。妊娠中も安全に使用可能な薬剤である。

アダリムマブ(ヒュミラ®)

2週間に1回の皮下注射製剤で、レミケードやエンブレルと同じTNFα阻害薬です。トトレキサートを含む抗リウマチ内服薬による治療を受けたことのない、診断直後の関節リウマチにも適応がある唯一の生物学的製剤です。

ゴリムマブ(シンポニー®)

4週間に1回の皮下注射、TNFα阻害薬で、注射製剤では最も投与間隔が長いため、頻回の通院が困難な方が希望されることが多い薬剤です。ただし、自己注射が認められていないため、安定しても1ヶ月毎の通院が必要です。メトトレキサートを使用できないときや、活動性が高い場合には100mgに増量が可能な薬剤です。

セルトリズマブ・ペゴル(シムジア®)

導入時は2週毎、その後は4週毎の皮下注射、TNFα阻害薬です。特殊な加工がされ、半減期が長く、病変に薬剤が到達しやすいといわれています。胎盤通貨制がほとんどないため、妊娠中も使用可能と言われています。

アダリムマブ(アクテムラ®)

日本で開発されたIL-6受容体抗体で、点滴製剤と皮下注射製剤があります。生物学的製剤の中で患者さんの費用負担が少ない薬剤です。

アバタセプト(オレンシア®)

TNFα阻害薬やIL-6受容体阻害薬はサイトカインをブロックする薬剤ですが、これはサイトカインではなく、T細胞を阻害する薬剤です。感染症などの副作用が少なく、高齢者や合併症が多い方でも使用が可能な薬剤です。

トファシチニブ(ゼルヤンツ®)

細胞外のサイトカインを阻害するものではなく、細胞内のシグナル伝達を阻害する経口の生物学的製剤といわれています。

生物学的製剤は、メトトレキサートと比べて、非常に有効性が高く、即効性もあり、関節破壊抑制効果も非常に高い薬剤で、完全寛解を目指すことができる画期的な薬剤です。しかし、免疫力を押さえてしまうため重篤な感染症を発症することが問題となります。また、帯状疱疹や悪性腫瘍の発生率があがることが懸念されています。

高額な薬剤であり、3割負担の方では、月に2万から4万円程度かかります。重篤な副作用があるため、しっかりと適応についての確認を行ってから使用すべき薬剤です。

治療薬の選択については、主治医と十分に相談の上判断してください。

 

リウマチ因子が陽性で、関節が痛かったらリウマチですか?

  関節炎があり、リウマチ因子が陽性であれば関節リウマチの可能性が高いですが、リウマチでない方でも10〜20%近くの方がリウマチ因子が陽性となります。関節が痛くなる病気も関節リウマチ以外にもたくさんあります。特に高齢の方では、変形性関節症による関節痛がよく見られますが、このような方がたまたまリウマチ因子が陽性であることもあります。また、肝硬変などではリウマチ因子が陽性となりやすいことが言われていますが、C型肝炎では肝硬変になると関節痛を認めることもあります。

関節リウマチ以外の除外診断が非常に大事となります。

 

関節リウマチと診断されました。関節が変形するのが心配です。

 

関節リウマチと診断された方のすべての方が変形するわけではありません。関節リウマチには、急速に進行するタイプ、徐々に進行するタイプ、自然に寛解するタイプ等があります。

名称未設定

進行する場合は、発症後2年間が最も関節破壊が進行するといわれています。この時期にしっかりとした治療をして関節破壊を起こさないようにすることが大切です。そのために専門医を受診して早期診断、早期治療を受けることが必要です。最近は、メトトレキサートを基本の治療薬として、効果不十分であれば生物学的製剤や免疫抑制剤などの非常に有効な薬剤が使用可能となっており、関節リウマチが殆ど治ったのと同じ状態の寛解と呼ばれる状態までよくなることが期待できます。