『リウマチ医のための肺障害研究会』に参加しました

3月12日(土)に東京で行われました『リウマチ医のための肺障害研究会』に出席しました。

関節リウマチ治療のアンカードラッグであるMTXはBMIにより容量の調整が必要であり、BMI 18.5以下の方では、通常の用量を使用すると治療に有効な血中濃度の2倍以上にまで上昇し、肝機能障害の発生頻度がかなり高くなります。MTXの濃度を測定し、治療に有効な血中濃度を超える範囲の量に調整することにより、有効性を維持しながら副作用を減らすことができます。ただし、現在日本では測定することができません。

MTX関連リンパ腫の発生は、治療中のリンパ球の数が減少すると発生するリスクが高まる。リンパ球の中でもEBウイルス特異的CD8T細胞の減少が関連している可能性がある。リンパ腫が発生してから、MTXを中止した後のリンパ球数の推移を見ることにより、MTXの中止だけで改善するか、化学療法が必要なリンパ腫に移行するかの判断ができる。すなわち、MTXを中止後リンパ球数が治療前の数まで上昇すれば自然治癒し、リンパ球数が低いままであれば治療が必要なリンパ腫に進行する。

生物学的製剤のヒュミラ使用時の最適なMTXの投与量はどれぐらいか?併用するMTXを2.5mg 、5mg、10mgと増量すると、寛解率も上昇するが、10mgと20mgの間では差がなかった。MTXを併用するとヒュミラの血中濃度は投与量に応じて上昇するが、10mgと20mgの間では差がみられなかった。抗製剤抗体の出現率が、2.5mg、5mg、10mgと投与量が多くなると低下するが、10mgと20mgの間では差がなく、抗製剤抗体の出現率が有効性に関与しており、欧米の大柄な患者さんでも10mgで十分である。

新幹線が60分ほど遅れたため最後の講演しか聴くことができませんでした。