『加古川リウマチカンファレンス』に参加しました

『高齢者医療における関節リウマチの現状と展望』

高齢発症の関節リウマチは大関節に多いため、肩関節、股関節に関節痛をきたすリウマチ性多発筋痛症は鑑別が難しい。リウマチ性多発筋痛症は、2012ACR/EULARリウマチ性多発筋痛症暫定分類基準の基づいて診断する。

高齢者では、TNF阻害薬、トシリズマブは寛解率が低下するが、アバタセプトは高齢者でも、若年者でも寛解率に差はない。

AMPLE試験において、アバタセプトはACPA陽性高値である方が、寛解率は高くなる。治療によりACPA抗体は低下する。

アバタセプトの肺病変の有無での比較では、有効率に差はなく、継続率にも変化なし。

高齢者では、一般にeGFRが低下しており、CKD合併例が非常に多く、腎機能障害時にはsDMARDではアザルフィジンしか使用できないが、biologicDMARDは腎機能障害における使用制限はない。

以上より、高齢者でACPA陽性、肺病変、腎機能障害を有する活動性の高い関節リウマチではアバタセプトが推奨される。

インフルエンザワクチン、肺炎球菌ワクチンは、TNF阻害薬、トシリズマブ、アバタセプトのどれでもワクチン接種後の抗体価は問題なく上昇するため重症化予防のため積極的推奨される。