3月4日 神戸で開催されました東神戸リウマチ性疾患連携の会に参加しました。
脊椎関節炎には、強直性脊椎炎、乾癬性関節炎、反応性関節炎、ブドウ膜炎関連関節炎、炎症性腸疾患関連関節炎、分類不能の関節炎等が含まれ、HLA-B27と関連があり、診断後にもオー場ラップしたり、移動したりすることがあり脊椎関節炎としてまとめられている。
①体軸性関節炎 炎症性腰痛症 安静時に悪化し運動にて軽快する。全腰痛の約15%を占め脊椎関節炎に特徴的であるが、15%は別の疾患である。
②末梢性関節炎 下肢に優位な関節炎
③付着部炎(enthesis)アキレス腱や足底腱膜の付着部に後発
④指炎(dactylits)ソーセージ様の手指、足趾の腫脹、付着部炎によるもの
強直性脊椎炎は古くからあるNew York criteria用いられていたが、早期診断には感度が低い。レントゲンでの仙腸関節炎が含まれているが、レントゲンに変化があわれるのは10年近くかかるため、診断が遅れてしまう。1990年にAmor criteriaが作成され、ASに限らず脊椎関節炎として分類し、反応性関節炎、乾癬、炎症性腸疾患、HLA-B27も加えられている。点数化しているため簡便性に欠けており、炎症性腰痛症と末梢性滑膜炎をもとに、他の脊椎関節炎の有無を確認するESSG criteriaが作成された。その後、MRIが診断に有用であることが示され、2009年にASASにより体軸性関節炎、2011年に末梢性脊椎関節炎の分類基準が作成された。診分類基準では、感度83%、特異度84%とバランスがとれており早期診断ができるようになった。
治療では、ASにはNSAIDが有効であり、まず最初に処方されるべき薬剤である。CRPが高いと効果が高く、骨病変の進行を予防する効果があり、継続的に服用することにより骨化を遅らせることができる。末梢性病変にはアザルフィジンが有効。TNF阻害薬は40%程度有効であり、若く、早期なほど有効性が高い。TNF阻害薬の効果に関連性があるのは、CRP、HLA-B27である。non radiographic axial SpAでは60%以上有効である。ただし、安易な使用は避けるべきであり、骨化の進行しやすい症例に使用すべきである。活動性指標であるASDASが高いと骨病変が進行する。炎症反応、喫煙があると進行しやすい。