HUMIRA RA Forumに参加して

7月2日行われましたHUMIRA RA Forumに参加しました

HOPEFUL試験において、MTX単独、MTX+ADAにて治療開始し、6ヶ月後に両群ともMTX+ADAにて治療を実施し、12ヶ月後の評価。6ヶ月ではMTX+ADA群の方が治療成績がよいが、12ヶ月後には、両群ともDAS28の寛解率は同じになり、MTX単独群でもADAを追加併用することにより、寛解率はキャッチアップできる。しかし、関節破壊においてはMTX単独群では、関節破壊が進行した症例が多く、関節破壊は6ヶ月間のバイオの遅れにより進行してしまう。HOUPEFUL−2試験にて、MTX+ADA治療1年後に、ADAを継続した群と、ADAを中止した群を比較すると、関節破壊には差はなかった。関節破壊が進行する症例では、早期にバイオを開始する必要があり、治療開始が遅れると関節破壊が進行し、バイオを追加しても関節破壊をしっかりと防止することはできない。

ADAの休薬はDAS28-CRP<2.6と寛解に入っていれば、86%が寛解維持できる。発症早期であれば1/3は休薬可能である。一般的に、発症2年以内であれば半数は休薬できる。2年以上経過すると、ステロイドが中止できないと休薬はできない。休薬できるのは、csDMARDを併用していることが必要。

以上より、発症半年は強力に治療して寛解導入し、以後は安全に寛解維持を図ること大切である。MTX単独でも6割の患者さんは、寛解導入でき関節破壊の進行もない、2割の患者さんでは、MTXだけでは寛解に導入できず、関節破壊の進行を防止できないため早期にバイオを開始する必要があるが、治療前にバイオが必要である患者さんを見極める手段がまだないのが現状である。

EULRAにおいて、JAK阻害薬がMTX効果不十分例においてbDMARDと同等に扱われる勧告がプレリミナリーではあるが発表された。JAKは30を超える免疫に関わるサイトカインやケモカインの発現制御に関わっており、非常に有効性が高い可能性がある。RAの滑膜では、JAK3の発現が亢進しており、トファチニブの投与によりIL-17、MMP-3の発現が減少、トファチニブの作用は、Th1、Th17、樹状細胞、B細胞もターゲットとなっている。現在、いくつかのJAK阻害薬が臨床治験に入っている。